ちょちょすけ旅日記

殿様よりもガウチョに憧れる下級藩士。身分も低く禄も安い、いつもヨレヨレ旅侍。殿さまの毒見のしすぎで口から毒が出るように。旅日記と毒を一日おきに書いております。雑種犬と古い映画とクラシックも好きだったりします。

中国の良心

中国の国内線で
窓際の席に座っていました



CAの若い女性が
機内食を配り始め



窓際の私に
渡そうとした時



手前の
私の隣席の男性の頭に



ガコッ!と



プレートの角を
思いっきりぶつけました



男性は小さな声で
えいっ??と驚いただけ、、、
怒らない、、、



CAの女性は
チッっと舌打ちして



何事もなかったかのように
私と男性に機内食プレートを配り
次へと去っていきました



え、、、
行っちゃった、、、



今の音は痛い、、、



やっぱり
男性は痛かったようで
頭をさすりながら
食べています



私のチラ見に
気がついたのか



このデザート欲しいか?
あげようか?と
言われてしまいました



さして美味しくないので
お断りしましたが



学生か?
こっちのはいるか?と
また違う食料を勧めてくれました



私は



お構いなく、、、
頭は痛くないですか?と



聞いてみたところ




男性は笑いながら



トーン!(痛い)
トンアー(痛いよ)

でも着陸まで命があったら
それでいいんだよ



ですって!
この中国的ユーモアが
心に強く引っかかったので
(空の事故もあった)



それ以降
陸路にしようと思い
鉄道とバス移動になりました



またある日の
北京から広州までの
鉄道旅で



寝台車でグーグー寝ていたら
深夜に停車した駅から
コンパートメント(軟臥)に
年輩の女性が入ってきました



相室になったせいで
蛍光灯をつけられ
思いっきり話しかけられます



日本人なの?東京?大阪?
学生なのに寝台車なんて
やっぱり日本人はリッチだね
私は広州のどこであれしてて、、、



うう、、、
まぶしい、、、
寝てたのに、、、



両親はどこで何をしている?と
聞かれ



今はここにいないと
いう意味で



彼らは
不在了(ブザイラ)と
言ってしまいました



他にも余計な
単語を付けたかもしれませんが



了を付けると
いなくなった



この世にいないの
意味になってしまうので



女性は急に
黙ってしまいました



そしてポツリと一言



若いのに可哀想だね、、、と



ああ、、、
間違えた、、、と思いましたが
とても眠かったので
そのまま訂正せず寝てしまいました



乏しい言い回しと
眠くて泣きそうな顔も
誤解された原因だったのか、、、




朝起きたら女性が
とても親身になってくれ



パン食べる?
お湯を貰ってこようか?

今は祖父母の家にいるの?
広州で私の家に泊まりなさい
町を案内してあげる

若いのに中国語を勉強していて
少林寺が好きだなんて
日本の学生は本当に素晴らしいね



などと
あきらかなるお世辞と
気遣いをされてしまい



訂正できずに
心苦しかったです、、、



中国では最初は
この人は最高にうるさい人だ!
と感じても



仲良くなると
全力で力を貸してくれたりと
戸惑うことがありました

なぜ最初っから優しさを
バラまかないのかと



日本語が堪能な
中国人に聞いたら



だって初めは悪くて
後からいい人の方が
評価あがるでしょ?
仲良くなりやすいでしょ?



日本人は
初めは優しそうだけど
実は心の中は怖い人や
暗い人多いですよ


電車でも若者が座って
老人が立ってるでしょ


優しさのバラまき政策には
働き過ぎで疲れた日本人の
深い闇がありますよ



などと言い返され
よくわからないながらも
つい頷いてしまいました



当時の中国の道路
霧ではなく光化学スモッグ




中国の混雑した路線バスの中



年配者が来たことに
気がつかなかった青年が
見知らぬ女性に


目の前にいる老人が
見えないのか!と一喝され


タケノコのように
ピュッと立ち上がってました



こういう所は
いいなあと思いました





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